性的指向・性自認に関する自民党の差別的な対応に強く抗議し、LGBT差別解消法案の成立を求めます

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【コメント】性的指向・性自認に関する自民党の差別的な対応に強く抗議し、LGBT差別解消法案の成立を求めます – 立憲民主党 (cdp-japan.jp)

 第204回国会が閉会した。本来であれば、性的指向・性自認に関する法律が、LGBT超党派議連での合意案「性的指向・性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」として成立する見込みだったが、自民党は法案提出を拒絶した。超党派議連での合意案を合意当事者である自民党が蹴ったこと、また立法を待ち望んでいる当事者・関係者の思いを踏みにじったことに、憤懣やるかたない思いである。

 私たちはこの間、性的少数者の方々が日本社会の中で直面してきた生きづらさや困難、差別の実態についてヒアリングを行ってきた。学校でのいじめ、就職等における差別、パートナーの看取りができないなど、具体的な困難は枚挙にいとまがなく、また性的少数者の方々の希死念慮が高いということに懸念をもってきた。それらの困難を解消するために2018年「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」を他の野党とともに国会に提出(2016年には旧民進党などで提出)し、実際に起きている差別を解消すること、啓発を進めること等を示して、国会での1日も早い審議・成立を求めるとともに、LGBT超党派議連での議論を求めてきた。性的指向・性自認に関するさまざまな問題は、命の問題だからである。

 他方、自民党は「理解増進法案」を検討し、ようやく今年4月13日に超党派議連役員会にその骨子案を提示した。その後両案の協議が行われ、「性同一性」の文言を「性自認」へ修正し、目的と基本理念に「差別は許されないとの認識の下」の文言を追加することによって、5月14日超党派議連としての案がまとまり、各党の手続きが開始された。立憲民主党としては、理解増進法案と差別解消法案との隔たりが大きかったものの、法案成立が最優先と考え、最低限必要な修正を得られたことから、苦渋の思いを飲みこんで同意することとし、5月19日の内閣部会・SOGIに関するPT合同会議および20日の政調審議会で承認を得ている。

 自民党以外の政党が党内手続きを着実に進めるなか、自民党での議論は、驚愕すべきものであった。報道によれば「LGBTは道徳的に許されない」「生物学上、種の保存に背く」等、ヘイトスピーチとも受け取られかねない、人権意識のかけらもない発言である。私たちは、「理解増進」どころか理解の入り口にも立っていない発言に対して、満身の怒りをもって抗議するとともに、自民党から公式の場での説明と謝罪を求める。

 今回、立法の機運が高まったのは、「性的指向による差別禁止」を追加した五輪憲章根本原則6および調達コードによるところが大きい。東京オリンピック・パラリンピックは「多様性と調和」を基本コンセプトのひとつに掲げる。IOC(国際オリンピック委員会)は6月のプライド月間に合わせてLGBTQに関する声明を発出した。この中では、五輪開催都市契約の差別禁止条項に性的指向を含めること、バッハ会長がプライドハウス東京のオープニングに祝辞を寄せたこと等に言及している。COVID-19感染禍でも東京五輪は強行する一方で、五輪憲章が求めている差別禁止を立法化できなかったことは、国際社会に対しても説明がつかない。また先般開催されたG7サミット首脳コミュニケでは、「あらゆる形態の人種差別やLGBTQI+の人々に対する暴力及び差別に対処することを含め、我々の行動はこれらの交差性を意義ある形で考慮する必要がある」とされた。G7の中で我が国は性的指向・性自認に関する法的保護が一つもなされていない唯一の国であるが、コミュニケをどのように履行するかが厳しく問われる。

 これまでは国・地方公共団体がどのような施策を実行しようとしても根拠法がないという問題があったため、施策実施の土台をつくるという点も期待された。経済団体、民間企業、当事者団体、司法関係者、在日外交官など多くのアクターが今国会での成立を期待する声明を出し行動をとってこられた。しかしこれほどまでに機運が高まったにもかかわらず今国会での立法は残念ながらできなかったため、関係者の中には、自民党政権が続く間は立法がされないのではないかという懸念が広まっている。さらに言えば、当事者の存在を否定するような許しがたい差別発言を投げかけられた上に、「ないよりまし」と苦渋の思いを飲み込みながら法案の成立を心待ちにしていた当事者及び当事者団体の落胆は計り知れない。しかしここで歩みを止めるわけにはいかない。私たちは当事者・支援者の方々の思いとともに、これからも、LGBT平等法の早期成立を求めるとともに、引き続き人権尊重のために取り組むことを誓う。