重要経済安保情報保護法案の衆院通過に関する談話《本部ニュースより》

重要経済安保情報保護法案の衆院通過に関する談話 2024年4月9日 立憲民主党政調会長 長妻昭

 経済安全保障上の重要情報へのアクセスに関する「セキュリティ・クリアランス(適性評価)」制度を導入する法案が、本日の衆議院本会議で可決された。
 そもそも今回の法案は、厳しい安保環境や国際競争に対応するため、我が党も賛成して一昨年成立した経済安全保障推進法に端を発するもので、その際に附帯決議に盛り込まれたのが、セキュリティ・クリアランス制度の導入である。
 こうした経緯を踏まえ、今国会に政府が提出した本法案は、経済安全保障の確保と経済活性化の両立を図るものとして一定の評価が出来る一方、秘密指定の対象や身辺調査の対象が法文上明確でないなど、国民の知る権利やプライバシー保護などとの関係で問題点が多いうえ、とりわけ特定秘密保護法との関連で、秘密保護法制の適用拡大への懸念が強くあった。
 このため、本法案の国会審議に臨むにあたっては、政府や経済団体はもとより、連合や日弁連などから労働者の権利や人権等への影響などについてヒアリングを重ね慎重に検討を加えると共に、国会での質疑を通じて様々な懸念事項を丁寧に政府に質してきた。その結果
・特定秘密保護法に関しては、当時の民主党も求めた、衆参の情報監視審査会が設置されるなど、当初懸念された「制度の乱用」や「知る権利への重大な侵害」等に対して一定のチェック機能が働いていることや
・特定秘密保護法の審議過程で我々が張った論陣が、法案成立後に一定の抑止効果を生み、その後10年を経過しても一般人やメディア関係者が特定秘密保護法違反で摘発・逮捕されると言った事態には至っていないこと
などから、今回の法案でも秘密が無尽蔵に拡大されないよう「タガをはめる」と同時に、当初の法案には規定されていなかった国会や専門家などによる「適正監視」のシステムを法案に盛り込むことを目指し、与党など各党と修正協議を重ねて来た。
 その結果、情報の指定や解除、適性評価の実施状況を国会に報告し、公表することを義務付けるほか、首相が情報の指定状況などについて有識者に報告し意見を聞くことなど、我々が提案した国会の情報監視審査会でのチェックを含む5項目からなる修正案を与党側がすべて受け入れたことから、我々も賛成するに至ったものである。
 ただし、これをもって国民の権利利益に関わる運用基準の不透明さなど制度全体に対する我々の懸念が完全に払しょくされた訳ではない。今後も参議院での慎重かつ丁寧な審議等を通じて確認していくとともに、今後の運用基準の閣議決定や政令の指定を注視し、不断の行政監視を続け、法案の弊害や国民の不安が解消されるよう最大限努めていく。

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