【代表談話】80年目の終戦記念日にあたって
2025年8月15日
80年目の終戦記念日にあたって(代表談話)
立憲民主党代表 野田佳彦
本日、私たちは終戦から80年の節目を迎えました。この日を迎えるにあたり、先の大戦で命を落とされた軍人・軍属そして無辜の市民を含む三百万余の犠牲者に哀悼の誠を捧げます。また、わが国が多くの国に与えた侵略と植民地支配による被害と苦痛を深く反省し、アジアをはじめとする諸国の犠牲者に心からの哀悼の意を表します。
現在のわが国の平和と発展は、先の大戦の痛切な反省を胸に、戦後一貫した平和国家としての歩み、そして多くの困難や試練を乗り越えた先人の努力の上に成り立っています。また、現在の国際社会におけるわが国の地位を築きあげるには、多くの国や人々が和解に応じてくださったことも忘れてはいけません。世界各国、とりわけアジア諸国との平和的な共存のために、平和主義に基づいて未来志向の友好関係を築く努力を続けることが私たちの恒久的な責務です。
今、世界はかつてないほどの変化と挑戦に直面しています。急速なグローバル・バランスの変化、法の支配のもとの国際秩序を脅かすウクライナやガザにおける戦争、力による現状変更の試み、国家間及び国内の格差と貧困、気候変動問題など、多くの課題が世界を不安定にしています。こうした中、私たちは過度な保護主義、民族主義やナショナリズムの潮流に対して警鐘を鳴らさなければなりません。これらは結果として平和を脅かす要因となります。私たち立憲民主党は歴史の教訓から学び、決して分断を助長することなく、相互理解を進め、多様性を認め合い、様々な課題を国際協調と対話により解決していくことが真の平和と繁栄への道だと確信しています。
また、先の大戦では人類史上初めて8月6日広島に8月9日長崎に原爆が落とされました。被爆の実相を語り継ぎ、核兵器廃絶を求める運動が国際社会から高く評価され、昨年12月に日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。しかし現在、核兵器の脅威は低減するどころか、核不拡散体制は行き詰まり、新たな核開発が加速しています。
イランの核施設に対する爆撃を広島・長崎への原爆投下になぞらえて正当化するような発言もありました。このような行為や発言は到底受け入れられません。また、先の参議院選中には核武装論まで飛び出しました。我々は、唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持し、このような主張には明確に対抗していかねばなりません。さらに、人類に二度と核兵器が使われないよう、被爆体験を風化させず、世界に発信し続けねばなりません。
日本は、戦後の苦難の中で、平和国家の道を歩み、平和外交を積み重ねてきました。立憲民主党は、わが国が戦後80年間一度も戦争をすることがなかったことを誇りに、過去の悲劇や過ちを忘れることなく、それを教訓とし、誠実に世界と向き合っていきます。そして、終戦80年目の今日、より強い平和への決意と不戦の誓いを新たにし、国内外の協調と理解を深め、未来の世代にとって平和でより良い世界を築くため、わが国が二度とあのような戦争の惨禍を繰り返さぬよう、また世界からも戦争がなくなるよう、引き続き全力で努力していくことを改めてお誓い申し上げます。